2013年5月26日日曜日

42日目:理学療法士って…!?

昨日、今日と、第48回日本理学療法学術大会でした。
なんと、今年の開催地は名古屋!
ということで、大学時代の教授が学会長、運営、大学時代の先輩や後輩も運営に回っていたそうです。

「理学療法士」はまだ歴史の浅い職業で、よく知らない方も多いと思います。
簡単に言う時は「リハビリの先生」と説明するのですが
医師から「この患者さんのリハビリをお願いします」と処方をもらい
そこから患者さんに会い、理学療法士が治療プログラムを考え、治療をして行きます。
「機能回復」を目的に、「座る、歩く」などお手伝いをします。
アメリカでは理学療法士も医師と同様、開業権があり、収入や地位も医師レベルですが、日本やスウェーデンではまだ医師の診察・処方が必要です。

私の病院では、毎日一人40分(患者さんの状態によりますが)、ほとんど手術後の患者さんを診ていました。
整形外科分野に関しては、手術後1日目に比べると退院日には見違えるほど回復し、表情も明るく帰って行くので、治療も楽しかったです。
整形外科分野でももちろんうまくいかないことがありましたが、ましてや心臓外科、呼吸器外科、脳血管疾患(脳梗塞や脳腫瘍など)、神経内科(日本で数%などの難病を抱える方も多くいた)では亡くなってしまった患者さんもいて、それはもう仕事が終わってからも辛いものでした。

毎日自分が担当していると、家族のような情が芽生え
状態が悪い時は悲しいし、打開策を模索したり、家にいてももやもやしたり
状態がいい時や嬉しい言葉をもらったときは、一日中自分も元気だったり。

患者さんに対してそういう情を抱くことに反対の人もいるようですが、
性格上難しいです。。
もちろん、だからといって、友達のように心を許し合うわけではないです。
治療者、患者として心を許し合うのです(というのを3年間で学びました)。
1対1の付き合いになるので信頼関係を築くのはとても大事です。

「生きたい」「動きたい」「旅行がしたい」
そういった、人生におけるとても大事な時間に手助けができるというのは本当に嬉しいです。
患者さんだけでなく、ご家族の方とも関わることもあります。
自分や周りの人がいかに健康に恵まれてるかなども思い知らされ、自分の人生を深く考えることもできました。

ときどき「マッサージする人?」と言われますが、少し違います。
マッサージは、その筋肉の凝りをほぐせますが、また同じような姿勢・動きで日常を過ごしたら、同じところに凝りが出てきます。
理学療法士は、もっと根本的に、なぜその筋肉が凝るのか?どの動きのせいなのか?を分析して、今後もその筋肉が凝らないよう指導できると思います。

※※しかし私は手術後の患者さんしか診たことがないと言っても過言ではないので
「腰が痛い」「肩が痛い」と、みなさんがいってもまだうまく評価できないと思います。


そして、今回のように学会に参加し、研究発表したり、勉強したりというのも盛んです。
しかし、私が発表をしても、今後の医療界の未来につながるわけではありません。
やはり論文にして初めて「今後の参考になる研究」になるというものです。

結構有名なフレーズですが、研究をしたくなる面白いフレーズがあります。

When told,"I'm too busy treating patients to do research," I answer:

When you treat a patient, you have treated 1 patient.
When you do research, you have treated 10000 patients.

Robert Riffenburge, author of "Statistics in Medicine"

臨床では1対1でしか患者さんを救えないが、研究では10000人を救える。

私も病院勤務中に考えたことがあります。
年間300弱の患者さんの治療に携われたけど
私と直接出会えた人、この病院に入院した人しか治療できなかった、と。
なにか方法はないだろうか、この病院以外の人に携わることは。。。

先ほどあげた研究もその一つ。
または学校の先生になって生徒を持つなど。
その他に…

と考えていたのですが、実はここルンド、マルメで興味深いプロジェクトがあります。
日本では聞いたことがないものも多々ありました。
参考になりそうなところは是非日本にもって帰って始めてみたい。

明日はマルメ、Health promotionに参加し、心臓リハビリを見てきます。
久しぶりに心臓リハビリ時代に買った本を開きました!
しっかり予習・復習をして行きます^o^


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2 件のコメント:

  1.  あなたがどういったいきさつで、スウェーデンにいるのかがわかりませんが、お若いのに「研究」という目的でこの地にいることが許されたということは、やはり、何かをしなければ、ならないのではないかと思います。理学療法が医療と同じレベルで考えられているアメリカというのなら、まだわかるのですが・・・。ご自分で選んだ道なのであれば、そこで研究成果をきちっと構築し、のちに続く方々に示してください。
     一年でできるものだとは、思えませんので、日本に帰ってから、またただの介護の現場での人材とならないように、また地位向上のためにも頑張ってください。

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  2. 的確なコメントありがとうございます。
    おっしゃる通り、一年でデータを集め論文を書くなど成果を出すことは難しく、また研究分野に関しては、8月か9月から参加することになっており、今は臨床での見学が中心になっています。
    実りある一年になるよう頑張ります。

    返信削除